養育費の決め方|払えなくなったときの対応と強制執行
今回は、養育費の決め方と、払えなくなったときの対応について説明していきます。
結論から言うと、算定表(さんていひょう)の金額を出発点にします。払えなくなったときの対応と見直しの時期まで、先に決めておくと、揉めにくくなります。
もくじ
【図】養育費を決める流れ
算定表で、基準となる金額を見る
再協議のルールを作る
進学など、節目に合わせる
公正証書にする方法がある
養育費は何で決まるのか
養育費の金額は、親の収入と、子どもの人数や年齢によって大きく変わります。
目安として、裁判所が公表している「養育費算定表」があります。双方の収入と子どもの情報から、おおよその金額が分かります。
ただし、算定表はあくまで目安です。家計の状況や、教育費の見込みなども考えて、話し合って決めます。
揉めないための決め方
揉めない最大のコツは、お互いが納得できる根拠を持つことです。
まず、算定表で基準となる金額を確認します。そこから「上げる」「下げる」の話に入ると、何もない状態から決めるより、揉めやすくなります。
あわせて「払えなくなったときはどうするか」という例外も、先に決めておきます。
払えなくなったときは
収入が減ったときや、生活が苦しくなったときは、再協議(さいきょうぎ)という方法があります。
「口で言っていただけ」では、変更を認めてもらえない場合があります。何があれば再協議できるのかを、あらかじめ決めて、公正証書に入れておくと、お互いに安心です。
払えないまま放っておくと、事態が悪くなりがちです。早めに話し合いを申し入れることが大切です。
強制執行の仕組みと2026年の法改正
強制執行(きょうせいしっこう)とは、約束が守られないときに、国の手続きで支払いを実現する仕組みです。
強制執行を受け入れる旨を書いた公正証書があると、養育費の支払いが止まったときに、裁判を起こさずに手続きへ進める場合があります。
また、2026年4月に施行された改正民法で、養育費は以前より回収しやすくなりました。養育費の請求権に「先取特権(さきどりとっけん)」が認められたためです。先取特権とは、ほかの債権者より先に支払いを受けられる権利です。
ただし、手続きには、取り決めの内容を示す資料が必要です。だからこそ、合意した内容は、公正証書にしておくと進めやすくなります。
金額の上限や必要な書類の細かい点は、法務省などの公式情報や、専門家に確認してください。
また、同じ2026年4月1日から「法定養育費」の制度が始まりました。養育費の取り決めがない場合でも、暫定的な養育費を請求できる制度です。対象となる場合や金額などは、法務省の公式情報で確認してください。
子どもの成長に合わせて見直す
養育費は、ずっと同じ金額とは限りません。進学などで、必要なお金も変わります。
「何年後に見直す」と決めておくと、その時点で落ち着いて話し合えます。
こんなケースがあります
収入や生活の変化で、取り決めが合わなくなる場面は、さまざまです。あくまで、よくあるパターンの例です。
- 収入が年によって変わる仕事の場合:金額を一律で決めるのではなく、見直しの時期や、確認する資料を決めておく方法があります。
- 再婚や、家族が増えたとき:養育費の見直しが話題になりやすい場面です。「再婚したときは知らせる」などの連絡のルールを、先に決めておくと、揉めにくくなります。
- 進学で、お金がかかるようになったとき:入学金や学費は、通常の養育費とは別に考える場合があります。「進学のときは、協議する」と決めておく方法があります。
- 転職や、住所が変わったとき:連絡が取れなくなって、支払いの確認が難しくなることがあります。変更があったら知らせる、というルールを入れておく方法があります。
状況によって、適した決め方は違います。具体的な判断は、専門家に確認してください。
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まとめ
- 養育費は、親の収入と、子どもの人数・年齢で決まります。
- 算定表の金額を出発点にして、話し合います。
- 払えなくなったときの対応は、先に決めておきます。
- 2026年4月の法改正で、養育費は回収しやすくなりました。
- 見直しの時期も、先に決めておきます。
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この記事を書いた人
太田 瑠美・太田 基次(モラハラ解決相談所 Re:gene(リジェネ)所長・副所長)
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